夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
リディアさんに引き取られた当初からそんな感じで、よく過呼吸を起こしたり発作を起こして…。その度に、色んな事を忘れていったと…。
医師からは突然記憶が戻る事もあれば、一生思い出せない事もあると診断されたって…。
すごく辛い事の筈なのに、私を気遣う様に…。ヴァロンは微笑んで話してくれた。
「……そんな訳で、昔は病院通ったり薬飲んだりしてたんだけどさ。今は、もう大丈夫。
……黙ってて、ごめんな?」
「っ…そんな、…謝らないで……。」
優しく頭をポンポンッと叩いてくれるヴァロンを見つめて、私は必死に首を横に振った。
やっと分かった。
今まで話してくれなかったんじゃなくて、ヴァロン自身も…分からなかったんだ。
自分の両親の事なのに、ハッキリしないから話せなかったんだね。
ようやく知る事が出来た一つの疑問。
でも、彼の気持ちを考えると決してスッキリしたとは言えなかった。
でも……。