夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
【アカリの部屋】

「お待たせ致しました、お嬢様。」

「!///っ……。」

別室で着替えてきた俺の姿を見て、アカリが驚いた表情で顔を真っ赤にする。


「ど、どうしたの?その、姿…///。」

”その姿”とは、俺がアカリの17歳の時に召し使いをして傍に居た”バロンの姿”。


今日、初めて自分の両親の事をアカリに話した。
彼女のお陰で俺自身はもうだいぶ吹っ切れているし、たいして気にしていない。

…けど、その話をしてからアカリの表情が明らかに暗い。
彼女は優しいから、俺の痛みを自分の事の様にいつも受け止めてくれるんだ。
いつだって、俺の為に涙を流してくれる。

そんなアカリを、俺は笑顔にしたかった。


俺は傍に行くと跪いて、そっと握ったアカリの手の甲に口付けながら見上げる。
< 187 / 290 >

この作品をシェア

pagetop