夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
「ううん。たまには、ヴァロンも普通の人間なんだな〜って思わせてくれないとね?」
「ふっ、なんだそれ。
…俺は、普通の人間だよ。特別なんかじゃない。」
彼はそう言うと私の頬に口付けて、ギュッと抱き締めてくれる。
「…少なくともアカリの前では、俺で居たい。
ただの一人の男なんだって、思いたい…。」
その言葉と、私の頭に甘える様に頬をすり寄せてくれるヴァロンが可愛くて、愛おしくて…。手を伸ばしてそっと頭を撫でてあげると、彼が嬉しそうに微笑った。
「あ、でもさ!猫の絵は少し上手くなったんだぜ?」
「えぇっ…?本当に?」
「あ、信じてねぇな?
…待ってな、今描いてやるから。」
ヴァロンの発言に私が半信半疑な表情をすると、彼は机の上にあった紙とペンを持って一生懸命に猫の絵を描き始める。