夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
シュウがあの日…。
任務が終わって、俺が部屋を去った後に、アランに言われた事を……。
聞かされた事を、まだ知らなかった。
……
………。
「…あ、そういやお前。俺になんか話があるんじゃなかったか?」
「……。
いえ、何でもありません。」
俺の問い掛けにも、シュウは穏やかに笑顔で首を横に振ってくれた。
全ては俺の笑顔を、幸せを守る為に…。
裏で、必死に動いてくれていた。
「…それよりも、今日の依頼人。ヴァロン、会ったら絶対に驚きますよ?」
食事が終わって、依頼人の待つ控え室へ向かう途中の廊下で意味深な事を言うシュウ。
自然に話題を変えられて、俺の興味はすっかりこれからの仕事の事になる。
「?……誰だよ?」
「会ってからのお楽しみです。」
口元に立てた人差し指を当てて、秘密を隠す子供みたいに微笑っている。