夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
……。
でも、それで引き下がるアラン様ではない。
「遠慮するな。
お前が選べないなら私が選んでやる。」
アラン様の申し出を断る事なんて、誰にも出来ない。
マオ様の背中をポンポンッと叩き、アラン様は私達使用人の間を歩きながら品定めをする様に横目で見つめていく。
息が詰まりそうな位、緊迫した空気。
アラン様の足音が、異様に大きく聴こえる。
……。
ずっとずっと…。
目立たない様にしてきたのに…。
「……そうだな。
マオは、純情そうな小娘が好きそうだな。」
そうニヤリと笑いながらアラン様が私の目の前で止まって…。
私の顎に手を添えて、少し伏せていた顔を上げさせられた。
「お前は今日からマオ専属の使用人だ。
……いいな?しっかり持て成すんだぞ?」
「っ……は、はいっ。
かしこまりましたッ…。」
冷たい威圧感のこもった眼光で命じられて、私はそう返事をするしか…なかった。