夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
「…全く。予想外の豹変をするから、また放っておけなくなるじゃないですか。」
前のヴァロンは無鉄砲で危なっかしいから心配だったが、今は純粋な子が悪い人に染められたりしないか…という心配に変わった。
ま、結局の所。
私は絶対にヴァロンから目が離せないという訳だ。
やれやれ、とそんな自分に呆れつつ仕事机に向かっていると…。部屋の扉がコンコン!っとノックされる。
「はい、どうぞ。」
私が返事を返すと、部屋に入ってきたのはマスターであり父のギャラン。
「!…マスター。どうし……。」
「ヴァロンは、もう出掛けたのか?」
私の言葉を最後まで聞かずにマスターはそう尋ねると、険しい表情を浮かべてソファーに座る。
その様子に、私にはマスターが部屋を訪ねて来た理由がすぐに分かった。
マスターはきっと”あの事”を聞きに来たのだと…。