夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
「ヴァロン様がそんな事をするハズがないでしょう!」
「これ以上ヴァロン様を侮辱したら、ボク等が貴方を許しません…!!」
私とアラン様の間に割って入り…。
私の目を醒ましてくれた。
レナとレイ。
孤児だった二人を隠れ家に連れてきたのは、ヴァロンだった。
彼が行った任務先で大きな事故があって、両親を失い、身寄りもなく泣いていた…。まだ当時10歳に満たなかった二人。
”俺が稼ぐから、ここに置いてやってほしい。”と、マスターに頼み込んで隠れ家の寮に二人を入れた。
そして、二人が調査員として働ける様になる18歳まで…。ヴァロンは全ての教育費や生活費を支払って、養ってきたんだ。
「……仮に、貴方が言っている事が事実であったとしても…。私達は構わない。」
「ヴァロン様の過去がどうであれ、ボク等は何があっても守ります!」
あの頃はまだ年若くて不器用なヴァロンは、幼い二人にたいして話し掛けたり構ったりはしなかったが…。
その彼の優しさは、ちゃんと二人に伝わっている。