夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
「そうですよね?シュウ様!!」
出会った時に震えて泣いていた双子の姉弟が、こんなにも強くなって、輝く笑顔で私を見つめていた。
その姿はまさしく、ヴァロンの美しい心が救った輝き。
そんな彼がもし本当に殺人を犯しているとしたら、それは…。そうしなければいけない、深い理由があったのだろう。
「ええ、そうですね。」
振り返っている二人に笑顔で頷き返しながら、次期マスターとしての目線でヴァロンの事を一瞬でも考えてしまった自分を恥じる。
正式にマスターになったら、私がヴァロンに関われる事はほとんどなくなるだろう。
全ての配達人を平等にみて、個人的な感情は封じなくてはならなくなる。
……でも、それまでは。
その日が来るまでは、ヴァロンを1番に想っていたい。