夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
「まだまだ引退するつもりはない。
…お前がやりたいように、悔いなく生きなさい。」
「……っ。…はいっ。」
いつも暖かく見守ってくれる姿に…。
この人の息子で良かったと、心から思った。
頷いて微笑み返す私を自分の隣のソファーに座らせると、マスターは再び真剣な表情になり口を開く。
「……して、シュウ。
お前の推測は、どの位の自信なんじゃ?」
「……。
おそらく、間違い…ありません。」
私の推測。
あの時、最後にアラン様が呟いた言葉…。
『…なんで、アイツ…ばかっり……。
アイツなんて…”妾の子供”のクセに……。』
……妾の、子供。
アラン様はヴァロンの事を、確かにそう言った。
つまり…。
ヴァロンは、アラン様の父親と妾との間に出来た子供。
ヴァロンとアラン様は、血の繋がった兄弟。
二人は、異母兄弟…。
……
………。