夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】

「まだまだ引退するつもりはない。
…お前がやりたいように、悔いなく生きなさい。」

「……っ。…はいっ。」

いつも暖かく見守ってくれる姿に…。
この人の息子で良かったと、心から思った。

頷いて微笑み返す私を自分の隣のソファーに座らせると、マスターは再び真剣な表情になり口を開く。


「……して、シュウ。
お前の推測は、どの位の自信なんじゃ?」

「……。
おそらく、間違い…ありません。」

私の推測。
あの時、最後にアラン様が呟いた言葉…。


『…なんで、アイツ…ばかっり……。
アイツなんて…”妾の子供”のクセに……。』

……妾の、子供。
アラン様はヴァロンの事を、確かにそう言った。

つまり…。
ヴァロンは、アラン様の父親と妾との間に出来た子供。
ヴァロンとアラン様は、血の繋がった兄弟。

二人は、異母兄弟…。

……
………。
< 240 / 290 >

この作品をシェア

pagetop