夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
夢の配達人の傍で生きたい、と言った私を快く送り出してくれた育ての親。
ヴァロンさんに会いたい一心で飛び出してきてしまったが…。あのまま、一緒に診療所で働いて暮らす方が私には合っていたのかも知れない。
島を出る時は自分の選択に迷いはなかった筈なのに、早くも不安になってきて涙が出そう。
「っ……とりあえず、戻らなきゃ。」
元の自分の服に着替えて、試着した服を持つと私は深呼吸してカーテンを開けた。
「すみません!お待たせしました!」
「……。あれ…?
着替えた姿、見せてくれねぇの??」
試着室の前で待っていてくれたヴァロンさんに笑顔を作って元気に声を掛けると、首を傾げながら残念そうにそう言われた。
その言葉に、ズキッと痛む胸。
見せられる訳ないし。
服が可愛過ぎて、似合わないなんて言えない。
それに……。