夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
「……うん、可愛い。
花の国の妖精みたいだな。」
「///っ……。」
ヴァロンさんにそう言われて、全身鏡の前に立たされた自分の姿を見た瞬間…。まるで魔法にかかったみたいに、変わる。
服装と髪型を変えただけなのに、生まれ変わった様な自分の姿に、嬉し恥ずかしい気持ちが溢れて鏡に映る自分をチラチラと何度も確認した。
嬉しくて嬉しくて、思わず緩む表情。
「すいませーん。
この子が身に付けてる物、全部下さい。」
「!…えっ?だ、駄目ですっ…!」
定員さんを呼んで会計を済ませようとしているヴァロンさんの姿に、私は我に帰ると慌てて首を振った。
身に付けてる物全部って、すごい金額だ。
嬉しくない訳はないけど、とても貰えない。
可愛くしてもらえただけで充分だと思って、私が髪留めを取ろうとすると…。その手を止められて、ヴァロンさんにじっと見つめられる。