夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
”お父さん”…かぁ。
思わずそう、思ってしまった。
「ユイ、近くに美味しいケーキ屋があるんだ。行こうぜ!」
「///…はいっ。」
私の手を引いてくれる、ヴァロンさんの手の温もりにドキドキする。
”父親”という存在にこんな胸が弾む私は、おかしいんだろうか?
”世界は広い。
この大空の下に、いつか貴女が出逢える大切な人がきっといるから…。”
リディア母さんの日記の言葉を思い出して、少し切なくなる。
私の大切な人は…。
決して結ばれない人なのかも、知れない。
この気持ちは、間違い?
私は、ヴァロンさんを…。
”お父さん”とは、呼びたくないと思ってしまった。
……
………。