夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】

「あ、はいっ。
今年の誕生日プレゼントに貰った物です。」

ユイは首からネックレスを外すと、俺によく見えるように差し出した。
ネックレスを受け取り、掌に乗せて見つめて思い出す。

間違いない。
これは、俺がリディアに貰った最初の贈り物。
大切な大切な、合鍵だった。


「……持ってて、くれたんだな。」

あの日、下剋上を起こした俺が突っ返した鍵。
また、俺の元に戻ってきてくれた。
リディアの忘れ形見と一緒に…。

視野が滲みそうになるのをグッと堪えて、俺はユイに鍵を返すと微笑む。


「な、ユイ。
この後、ちょっと連れて行きたい場所があるんだけど…。付き合ってくれるか?」

「?……はい。」

ケーキを食べ終えると、俺はユイを連れて港街のある場所へ向かった。

……
………。
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