夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
不意を突かれたとはいえ、ついついじっとお顔を見つめてしまうなんて初歩的な失態。
しかもお客様に気を遣わせてしまうなんて、この屋敷の使用人として決してあってはならない事。
家族の為に、生活の為に、私はここを辞める訳にはいかなかった。
きっと、マオ様は優しい方。
大丈夫、大丈夫と心の中で呟いていると…。
「……。じゃあ…。
朝まで一緒に居ますか?僕と…。」
私の固くなった心と身体を解かす様に、マオ様が言った。
トクンッと静かに響く、自分の暖かい鼓動。
……え?…っ///。
その優しい声に顔を上げてマオ様を見ると、今度はさっきとは違うドキドキが私を襲ってくる。
マオ様はネクタイを緩めながら外していき、シャツの1番上のボタンを外して着崩していく…。
その姿から、目が…逸らせなくて…。
あっという間に、惹きつけられる。