夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
「…近いうちに、再検査を受けて下さい。」
ホノカさんが、真っ直ぐ俺を見て言った。
口調もハッキリしているし、表情も毅然として見えるのに…。自分の膝の上で握り締めている手を、微かに震わせているホノカさん。
「……。うん…。
言い難い事、言わせてごめんね。」
俺が微笑みながら茶封筒を手に取ると、ホノカさんは首を横に振った。
俺の担当に付いたばっかりに、辛い事を言わせてしまった彼女の悲しい顔を見たくない。
「…俺を個人的に呼び出してくれたって事は、シュウにも、誰にも言わないでいてくれたんだよね?」
仕事でほとんど隠れ家にいない俺を、シュウやジジイ抜きで呼び出す事は、かなりの困難だ。
なのに、ホノカさんは医師としての意志を貫いて…。俺にだけ、結果を教えてくれた。
健康診断の、結果を。