夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】

「そんな顔しないで?
まだ、どうにかなるって決まった訳じゃない。
再検査も受けるし、俺はこう見えても…ヤケになったりもしないから……。」

俺は信じられないくらいに、冷静だった。

……。

いや、違うな。
これが現実に起こっている事だって、自分が認めていないからかも知れない。
受け止めきれていないだけかも、知れない。


「…やらなきゃいけない事とか、やりたい事、まだたくさんあるんだ。
思いっきり生きなきゃ、情けない生き方したら、リディアに会った時にボコられる。」

それでも…。
家族の為に、大切な人の為に、投げやりな気持ちになりたくない。
取り乱して、格好悪く見られたくないっていう馬鹿みたいなプライドでもいい。

俺を、今まで通りに最期まで生かしてほしい。
白金バッジの夢の配達人として…。
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