夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
ここでアラン様を拒めば、処罰は私だけではすまない。
この方はきっと私の大切なものにまで手を下す。
っ……。
お父さん、お母さんっ……。
心の中で家族を想い、覚悟を決めた時…。
「失礼致します。」
と言う声と同時に、部屋の扉がバンッ!と勢い良く開けられた。
ピタッと止まるアラン様の手。
「……何の用だ、マオ。
取り込み中だぞ、無礼は承知か?」
振り返らず私を押さえ付けたまま、アラン様が冷静に言う。
!///っ……マ、オ…さま?ッ……。
マオ様っ…マオ様……ッ///。
その名前を叫びたいのに、声が出ない。
その姿を見たいのに、こんな場面を見られて目を開けられない。
羞恥で涙がじわじわと滲んでくる。
「お叱りはいくらでも。
…ただ。次の企画での最新案が浮かびましたので、お急ぎ確認して頂きたく思います。
必ず、アラン様にお気に召して頂けるかと…。」
静かな部屋にマオ様の柔らかい声。
ピリピリしていた空気が和み、アラン様はフッと満足気に笑うと私を解放してマオ様に歩み寄って行った。