夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
【アランの会社/会議室】

この日はアラン君の持つ会社で、定期的な会議が開かれた。
半年前からアラン君の隣には常に”マオ”という人物がいる。
それが、ヴァロン君だ。

その姿を初めて見た時は驚いた。
普段の薄い栗毛色の髪と瞳を灰色の髪と瞳に変え、アラン君の家系に良く似せられたその姿…。
夢の配達人ヴァロンの特技がいくら変装だと言っても、ここまで変わるものなのか…。と、目を疑った。

…そして、何より。


「…あの!ちょっと、いいかね?」

会議が終わり他の者達が退室するのを待っていた私は、残って片付けをしているヴァロン君に話しかけた。

すると、片付けをした手を止めヴァロン君は姿勢を正して私を見ると優しく微笑んだ。


「はい?アルバート様、お疲れ様です。
私に何か御用でしょうか?」

何より驚くのが、この口調と彼を纏う雰囲気。
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