夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
「……アカリと、連絡を取ってやってくれ。」
「……。」
「君が忙しいのは重々承知している。
会いに来てやってくれ、なんて無理は言わん。
……せめて、手紙か電話だけでも…。」
アカリの意思とは関係なく無理矢理嫁がせ様としていた男が、今更何を言っているんだと思われてもいい。
ただ今は、あの子の笑顔を守ってやりたい。
「口にはしないが、寂しいに違いない。
……。アカリには君が必要なんだ。」
「……。」
「……っ…頼む。」
ヴァロン君の片手を自分の両手で握り締める様にして、私は頭を下げた。
すると、暫しの沈黙の後に…。
ヴァロン君が口を開く。
「……アルバート様。
お顔を、上げて下さい。」
優しい穏やかな口調でそう言うと、彼は私の両肩を掴みゆっくり上を向かせてくれた。
顔を合わせるとそこには笑顔があり、分かってもらえたのだと安堵する。
……しかし。