夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
「……。
申し訳ありませんが、お断り致します。」
「!……え?」
「その件につきましては、今の私には関係のない事。
孫娘様に私が連絡を取る事は出来ません。」
「……。」
私は、一瞬言葉を失った。
あまりにも淡々としたその返答は”何故、私が?”とでも言いたげで…。
まるで、アカリの事など忘れている様な…表情。
……ああ、そうか。
彼は今、ヴァロン君ではなく”マオ”なんだと…。
完全に仕事しか見ていないのだと、悟る。
仕事とプライベートを完全に使い分ける事は、出来る人間には必要な事だ。
……でも。
「……もしかして…。
例の、記事は真実…なのかね?」
マオと相手の企業の令嬢との噂。
こんな事を聞くつもりではなかった。
でも、望んでいた形とは違った彼の返答と態度にじわじわと怒りが込み上げる。