夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
「……今は仕事なんだと、言い訳して…。
アカリがどれだけ不安な毎日を過ごしているか、知っているのかっ…?」
郵便が届く度に気にして、電話が鳴る度に誰よりも早く反応して…落ち込んで……。
”あまり動かない”と、大きくなったお腹を撫でながら胎動を感じない事を不安がっているか…。
悪い事はお腹の子に聴かせたくないと、アカリはヴァロン君の事を決して悪く言ったりしない。
仕事の記事を見て、”パパはすごいね!”と…いつも語り掛けているんだ。
なのに…。
「…その件に関しましては、お答えする理由がありません。」
顔色一つ、口調も崩さない、冷静な彼…。
「次の仕事の準備がありますので、失礼致します。」
そう言って軽く頭を下げてその場を去ろうとしたヴァロン君の胸倉を両手で掴み、気付いたら私は彼を背後の壁にバンッ!と押さえ付けていた。