夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
自分がやってしまったとっさの行動に驚きながらも、引く事は…出来ない。
「っ……頼む。」
黙ったまま無抵抗のヴァロン君にもう一度頭を下げた。
彼を責めたい訳じゃない。
ただ、アカリを想ってくれているんだという気持ちを確認したかった。
「頼むよっ……。」
祈る様な想いで声を絞り出した時…。
「いいじゃないか、マオ。
一度くらい息抜きをして来たらどうだ?」
私の背後から聞こえてきた声。
ハッとしてヴァロン君の胸倉を放し振り返ると、そこに居たのはアラン君。
「お前の仕事での成果はハッキリ言って想像していた以上だ。
一日くらい休みをやってもいいんだぞ?」
私を挟んで奥のヴァロン君を見ながら、アラン君はニヤリと笑って言った。
「いえ、休暇は必要ありません。」
短くそう答えるヴァロン君。
……。
何とも言えない空気になる。