夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
二人の間で様子を伺っていると、笑っているアラン君を見るヴァロン君の瞳が何処か鋭い。
普段一緒に仕事をしている時の様子と明らかに違った。
仕事中の彼等は息がピッタリで、互いを高め合うまるで親友の様に和気藹々としている姿をよく目にした。
……それなのに。
まるで一気に対立したような二人の空間。
長くなりそうな沈黙を察してか、アラン君はフッと笑うと視線を私に移し口を開く。
「…では、どうでしょう。
近いうちに行う予定だったアルバート様との打ち合わせ、その場を孫娘様がいらっしゃる別荘で行う。…というのは?」
「!…いいのかい?アラン君。」
私にとっては願ってもいない申し出だった。
休暇を取って来るよりも、仕事のついでならばきっとヴァロン君も気楽に来てくれる筈だと思った。