夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
朝顔を合わせても仕事の間に休憩があれば必ず私に電話をしてくるし、妊娠してからは無理に時間を作ってでも連絡してくる始末。
”また?”って呆れる事もあるけど、政略結婚で結ばれた私には幸せ過ぎるくらいに贅沢な事。
産まれた時から決まっていた婚約者。
なのに正式な結婚話が決まるまで、ずっとずっとお互いの顔を見る事もなく育って来た私とジェイク。
好きな人も恋もまともにしていない私に、彼は全てを教えてくれた。
親に決められた形だけの結婚と諦めていた私を、優しく包んで暖かい気持ちにしてくれた。
初めてアカリと会った時、当時召使いの任務中だったヴァロンに彼女は恋をしていて私はすごく羨ましかった。
自分にないものを持ったアカリ。
最初は嫉妬して意地悪もしちゃったけど、次第に彼女の笑顔にそんな醜い感情も溶かされてしまった。