夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
いつもの私なら、普通の使用人になら…。
”馬鹿にしないで!”とか”無礼者!”って怒鳴りつけるところだったけど…。
バロンの言葉には、素直になってしまった。
「……。
わからないもの…。
ねぇ、好きになるってどういう気持ち?」
「……。」
「例えば、バロンはどんな女性が好き?
好きなタイプとかあるでしょ?」
普段、自分の家の使用人達には聞けない事。
バロンなら答えてくれる気がして、ついつい座っている椅子から身を乗り出して質問攻めにしてしまう。
……。
そんな私にバロンは真剣に答えてくれた。
「好きなタイプなんて、本当の恋には…。
きっとないんだと思います。」
「!……え?」
思い掛け無い返答に私は唖然。
すると、バロンはそんな私の前に屈んで目線を合わせながら言葉を続ける。