夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
「…自分が楽しかったり、嬉しかったり。
例えば、美味しい物を食べたり。綺麗な景色を見た時…。
”この人と、共感したい”と、真っ先に思い浮かぶ人が自分にとっての1番大切な人だと思います。」
「……。」
「”好き”と言うのは、簡単です。
私は食べるのも”好き”ですしね?
でも、”特別な好き”は簡単には言えません。」
黙って聞いている私に微笑むと、バロンは自分の手を自分の胸元に当てて目を閉じた。
「”特別な好き”は、言葉ではありません。
いつの間にか自分に宿り、とっさに溢れ出すものなんですよ?
ビックリ箱のように、自分でも驚く行動をしてしまうくらいにね?」
……。
そう言ったバロンを私は単純に素敵だと思ったわ。
でも、言われた意味を深く理解はしていなくて…。
その言葉が分かったのは、この直後。