夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】

今日ここにヴァロンが来ると分かっているから彼だと分かるものの…。
町中で出会ったら、まず彼だと気付かない。


「…ビックリだわ。
ヴァロンの変装って本当にすごいのね。
……。っ…アカリ?」

私が驚きつつも感心しながらアカリに目を向けると…。
彼女の瞳から、涙が溢れて静かに頬をつたり落ちた。


「っ……ダメだね。
ヴァロンが、帰ってくる日までっ…泣かないって、決めてた…のに……ッ。」

会いたくて会いたくて仕方なかったのだと…。
痛い位に伝わってくる、アカリの姿。


「……。
見なかった事にしてあげるわ。」

必死に涙を止めようとするアカリにそう言って優しく肩を抱くと、彼女は暫く俯いたままだった。

……
………。
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