夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
【アカリの部屋】

アカリに続いて部屋に入り、パタンッと部屋の扉を閉めると私は背中を向けているアカリに話し掛ける。


「……。
このままで、いいの?」

「……。
うん、もう…いいの。」

私の問い掛けに、短くそう答える彼女。
その反応に、私はついムカッとしてしまって声を上げる。


「っ…どうしてよっ?
ヴァロンに会いたかったんじゃないのっ?」

「……。
会いたいけど…。もう、大丈夫だから。」

”大丈夫”と言いながらも震えているアカリの声。
悲しみを堪えているんだと思った。


「大丈夫な訳ないじゃないっ!だってっ……。
……。!っ……アカリ?」

彼女の肩に触れて顔を覗き込んで、私は驚いた。
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