夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】

アカリは、泣いていた。

……。

けど、微笑んで…いた。
嬉しそうに、幸せそうに、微笑んで…いた。

その表情に”何故?”と、言葉を失う私。

すると暫くして…。
彼女がゆっくり口を開く。


「…約束したの、ヴァロンと。」

「!……え?」

「寄り道せずに、真っ直ぐ最短で私の所に帰って来て、って…。
ヴァロンは、それを覚えてて…くれた。」

「……。」

アカリに言われて、私はさっきヴァロンが言った言葉を思い出す。


”休暇を頂けるのでしたら、他にやる事があります。
…仕事を1日でも早く終わらせる。
今、私にはその事しか頭にありませんから。”…。

一見冷たく聞こえる、言葉。
仕事の事しか考えてないと思える、言葉。
< 72 / 290 >

この作品をシェア

pagetop