夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
俺が滞在している奴の屋敷の使用人もそうだ。
アランが選んだ俺の専属の使用人”スズカ”。
黒い髪、黒い瞳の容姿。
少しドジで、でも頑張り屋な彼女は、俺に何度もアカリを思い出させた。
笑顔を見てしまったら、親しくなってしまったらマズいと思って冷たくしようとしたが…。
そこにも奴の策略があり、そうも出来ない。
あの屋敷は使用人への待遇が悪く、アランの思惑通りに彼女が俺を持て成す事が出来なければ、どうなるか分からなかった。
純情そうで、家族の為に働く健気な様子に、俺はアランの策略通りスズカの事を完全に無関心では出来ずにいる。
そんな彼女に”好き”だと、告白された時はさすがに参った。
アカリに泣かれてるみたいで、思わず動揺した。
”マオ”として過ごしている期間、アランに付いて色んな場所に行く度に女性関係が絡んできて正直勘弁してくれと思う日の連続。