夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
本当は会いたい。
”アカリ”って名前を呼んで、この腕の中に閉じ込めたい。
いつしかお前の名前を呼んだ瞬間が、俺の仕事の終わりの合図のようなものになってた。
まるで魔法が解けるように、俺を俺自身に戻してくれる。
魂のない人形が、心を宿したように自然と笑顔になれるんだ。
あの瞬間、”ああ、幸せだな”って心から感じる事が出来る。
……。
愛おしい足音が、外の扉から離れていく気配を感じて俺は心の中で呟いた。
もう少し待ってて。
”アカリ”って俺がちゃんと俺で呼べる日まで。
名残惜しい気持ちを振り切って、俺は別荘を後にすると…。
再びマオに戻って、仕事に没頭した。
……そして。
一ヶ月程過ぎた、4月上旬。