夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
「マオ、準備は整ったか?始めるぞ。」
「…はい、アラン様。」
会議室の扉がガチャッと開きアランが入ってくる。
俺はなんとかマオに戻ると、震えかけた資料を配る手と心を落ち着けて微笑む。
すると…。
そんな俺を励ますように、窓から差し込む春の陽射しが会議室を明るく照らしてくれた。
「っ……。」
思わず窓の外を見ると、陽の光を浴びた桜の花びらが可愛らしく輝いて、花吹雪となって舞っている。
”頑張って!”って、聴こえた気がした。
まるで、俺を応援してくれているように…。
暖かい陽だまりが包んでくれて、俺を穏やかな気持ちにしてくれる。
「……。
真っ直ぐ、最短で…帰る。」
気付いたら、俺はそう小さく呟いていた。
「…マオ、どうかしたか?」
「いえ、何でもありません。
…皆様、お待たせ致しました。
これより定例会議を始めます。ご着席下さい。」
いつの間にかすっかり気持ちの落ち着いた俺は、微笑んでいつものように会議を進行した。