夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
俺には幼い頃から全てのゲームや遊びにおいて、最強の見本になる人物が側にいた。
マスター・ギャラン。
あの人から学んだ娯楽の知識全てを使って、俺はこの勝負に挑む。
「…はい。この馬に決めました。」
俺は微笑みながら、メインレースを走る馬全ての名前が書かれた新聞の一部分を指差した。
それを見て、ロイス様は目を見開いて固まる。
「1枠1番、レインボーデイ。
今日のメインレース、真っ先にゴール板を駆け抜けるのはこの馬です。」
俺の言葉を聞いても、ロイス様は信じられないと言った表情で新聞と俺を交互に見ていた。
それもその筈。
俺の選んだレインボーデイの人気は、最低人気。メインレースで1番人気がなければ、期待もされていない馬だ。
しかも、7歳の雌馬。
勿論、大器晩成という言葉がある通り馬は若いから走るという訳ではなく、年を重ねて強くなる馬もいる。
が、この馬が最後にレースで勝ったのは5歳の頃。完全にもう成長は止まっていた。