夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
「素直にキサラギの実力を認めていれば、契約の話を考えてやったものを…。
私と同じ視線で分かり合えると思っていたのに、残念だ。」
「待って下さい。」
その場を去ろうとしたロイス様の手を掴み、俺は引き止めるとゆっくり視線を合わせた。
「…レースは。勝負は終わってません。」
俺は、この勝負に負ける訳にはいかない。
半端な気持ちで挑んでいる訳じゃない。
「最後まで、一緒に観てもらえませんか?」
約束を果たす為に。
依頼を完了させる為の、大事な勝負。
この勝負に負ける事は、俺の人生の全てに繋がる。
「……仕方ない。
約束は約束だ。レースは最後まで観よう。」
俺が深く頭を下げると、ロイス様はそう言ってもう一度席に着いてくれた。
運命の、レースが始まる。
……
………。