夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】

あの子の正体に気付きながら、あれから一度も会いに行ってやれてない。
父親として、何もしてやれていない。

ユイ。
この長期任務が終わって落ち着いたら、必ず会いに行こうと決めていた。


虹の日が、必ず俺に勝利を結んでくれる。

俺はそう信じて、レインボーデイを徹底的に調べ尽くした。


……。
これは、当たりだと思った。

確かに、レインボーデイは最低人気。
普通に考えたらまず勝つ事はあり得ない。


……でも。
競馬ではたまに起こるんだよ、まるで奇跡のような瞬間が。
絶対に来ないと思っていた馬が、とてつもない実力を発揮する瞬間が…。


不利な形勢から状況を覆す。
それが勝負の醍醐味だ。そうだろジジイ。

心の中でそう呟いたと同時に、レースが始まった。
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