夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
「…どうだい?マオ君。
この状況を見ても、まだ自信があると言えるのかね?」
レース中盤の展開を観て、ロイス様が声をかけてくる。
…俺は、隣のロイス様を見て微笑んだ。
「はい、勿論です。」
俺の返事を聞いてロイス様はやれやれといった表情で、視線をレースに戻す。
俺は言葉を続けた。
「…レインボーデイが過去に勝利した展開を、ご存知ですか?」
「……なに?」
再び俺を見て、顔をしかめるロイス様。
まあ、普通は知る筈もない。
自分がライバルと認めた相手ならまだしも、最低人気の馬の情報を知る人なんてほとんどいないだろう。
それが、盲点だ。
「レインボーデイの過去の勝利データです。」
「……!!
こ、これは……っ。」
俺が差し出したデータの紙を見て、ロイス様の表情が変わる。