夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】

「…短所が、長所に変わる。」

「!…なに?」

俺がボソッと呟くと、ロイス様は思わず振り返って俺を見ていた。


レインボーデイがキサラギに勝つ最後の条件。
それは今までの戦績。
競走馬には強い馬程、負担斤量が…ハンデとして重りが増やされる。
おまけに、雄馬は雌馬よりも負担斤量が重い。

どんなに強い馬でも、重い負担を背負えば足は衰える。
しかも、それが長い距離を走ってきた最後の追い比べならば尚更だ。

ずっと脚を溜めて最後まで我慢していたレインボーデイに、マイペースとはいえずっと逃げて来たキサラギは…勝てない。


俺がニヤッと笑った瞬間。


『ゴールインッ…!!
勝ったのは、なんとなんとっ…レインボーデイだぁ〜〜〜ッ!!!!』

レインボーデイがキサラギより頭一つ分抜けて、ゴール板を過ぎて…。
実況者と観客が歓声を上げた。
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