夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
……
………。
「……私の、負け…だな。」
レースが終わり、暫く窓の外を眺めていたロイス様が呟いた。
…けど。
俺にはやはりリディアのように、雨上がりの空に虹を架ける事が出来ない。
「契約の話を、聞こう。後日…。」
「いえ。
勝負は、僕の負けです。」
「!……なに?」
俺は椅子から立ち上がると、こっちを見て顔をしかめるロイス様の隣へ行き、大きな窓ガラスの外を指差した。
その先にあるのは、レースの結果が映し出された掲示板。
そこには、まだレース結果が確定しておらず…。
”審”という文字が付いている。
これは、審議の”審”。
レース中になんらかの問題があり、この勝負が正当なものでなかった時に映し出される文字。
つまり、このレースには何らかの問題が起きていた。