夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】
「……レインボーデイは、降着になります。
その結果、繰り上がりでキサラギの勝ちです。」
「!?……。」
俺の目には見えていた。
素晴らしい末脚で追い込みを見せてくれたレインボーデイが、その凄まじさのあまりに他馬に接触していた瞬間を…。
悔しいが…。
アクシデントは、つきものだ。
頑張って走ってくれたレインボーデイに罪はない。
それでも結果が全て…。俺の、負けだ。
『レース結果が確定致しました!
1着はキサラギ!
レインボーデイは素晴らしい末脚を見せてくれましたが……。』
掲示板に確定したレース結果が映し出されて、実況者の言葉と観客の歓声が場内に響いている。
「……。
では、契約の話は…諦めるのかね?」
ロイス様が、呟くように言った。
……。
諦める?
……まさか。
「…いえ、諦めません。」
俺はロイス様を見て微笑んだ。