僕に、恋してみたら?
「隣……いいか?」
わたしが「うん」と答えると、柳くんは自転車を立てかけ、わたしの右隣に腰掛けた。
右隣といっても、少し離れた場所に。
「最初、似てるけど別人かと思った」
「え?」
「ほら、制服のときとイメージ違ったから」
「あぁ……お姉ちゃんにやってもらったんだ。『女の子に生まれたんだからお洒落しなきゃ損』とか言われて」
「へぇ。このあとデート?」
「ち、違うよ。予定なんて……なにもない」
「そっか」
柳くんに、メールの返事していないままだ。
昨日あんなことがあったばかりで……、ちょっと気まずい。
「ごめん」
「!」
「自分の一方的な気持ちを押しつけて、あんなことして。……謝って許してもらえることじゃないけど、本当にごめん」