僕に、恋してみたら?
放課後。
いつもなら寄り道などせずに、まっすぐ家に帰るわたしだけれど、今日は違った。
再び屋上にやってきたのだ。
「たしか、ここに……」
ない
ないないない……なんでぇ!?
おかしい。この辺に置いていたんだけどなぁ。風で飛ばされることは……ないと思う。
「捜し物は、これ?」
背後から、聞き覚えのある声が耳に入ってきた。
「……み、水上先輩……?」
足元ばかり見ていたが、目線をあげてみる。
先輩が手に持っているもの。
「な、なんで先輩が……」
それは――わたしの探していたものだった。