僕に、恋してみたら?


お姉ちゃん、もし先輩が今でも自分のことを好きだと知ったら、どう思うだろう……。


――背後から、頭になにかをかぶせられる。


……カチューシャ?


振り返ると、「めちゃくちゃ可愛いんだけどぉ!」興奮しているアキナ。

「可愛すぎだろ、結城」「人形かよ」
男子たちのつぶやきに、

「今ごろ気付くなんて遅いよ、バーカ」と笑っていうユカリ。


柳くんが近づいてくる。


「なんつーか、愛でたいな」

「おめでたいの……?」

「アホか。可愛がりたいって方のだよ。絵本の中から飛び出してきたみたい」

「は……?」

「いや、やっぱりお遊戯会みたいだな」

「わたしは幼稚園児か!」


そのやりとりに、ユカリが手をたたいて笑う。

クラスメイトもつられて笑う。



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