僕に、恋してみたら?


わたしが伝えにくいことを、こんなにもあっさりと告げてしまう先輩。


破れた衣装を見たアキナは、目を見開いて、すぐには言葉が出ない様子だ。


少し間を置いてから、「なんですか……、これ」かすれた声でそういう。


動揺が、伝わってくる。

わたしでさえ、こんなにも胸が苦しいんだ。

アキナは……もっと、苦しい。


「アキナちゃん」


……名前で呼んでる。

さっき、山内さんだったのに。


「僕も手伝うから、一緒に直してくれないかな」

「え、先輩……と?」

「放課後、一緒にやらない?」

「えぇ……!?」


先輩の思わぬ発言に、アキナが大きな声をあげる。

もちろん……、わたしも、内心飛び跳ねた。

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