僕に、恋してみたら?
全員が放心状態。
柳くんは、苦笑い。
そんな中、綾瀬望実に向かってまっすぐ歩いていったのは、アキナだ。
「ねぇ、綾瀬さん」
「なによ」
2人が睨み合う。
「こんなことしても、茉帆は手に入れられないよ」
「うるさい」
「むしろ、余計離れてくだけだよ」
「黙れ」
「……わからないの? 衣装見つけたときの茉帆が、どれだけ辛い気持ちになったか!」
――!
「あたしは、作った本人だから、なんとか直せるよ。でも茉帆は、悩んだと思うんだよね。どうしようもなくて、それで水上先輩に頼んでくれた」
「え、水上先輩?」サナが驚いてそんな声をあげる。
「あんたは、大事な子を傷つけてまで、自分の気持ちを優先させたいわけ?」
「……っ、そんなことない」
我にかえったように、綾瀬さんがハッとする。
「だったら、謝りなよ。茉帆に」
「……ごめんなさい」
わたしを見て、謝る綾瀬さん。
いいよなんて、言えないよ。
「わたしは、いいから。アキナに謝って」