僕に、恋してみたら?


「ごめん、山内さ……」
綾瀬さんが謝っていた、そのとき。


パシン、という音が教室内に鳴り響いた。


眼鏡が吹き飛んで、教卓のそばに転がり落ちる。


「いったぁ……なにするのよ……!」

「あんたの痛みは、すぐにひくけど。切り裂かれた衣装は、もうまったく同じようには戻せない」

「!」

「あと2発は殴ってやりたいけど、あんたも女だから、これで許してあげる」


とても迫力がある。

アキナ、怒ったらこんなに怖いんだ……。


「別に許してもらう気なんて……」

「放課後付き合って」

「は?」

「あんた、器用でしょ。責任とってパシられて」

「なんで私が……」

「作りたいんでしょ? 茉帆のために」

「……!!」

「一緒に作ろうって言ってあげてんじゃん」

「……っ、ありがとう……」



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