僕に、恋してみたら?
放課後、水上先輩とわたし達が向かったのは家庭科室だった。
既にミシンが並べられていて、驚いたことに、衣装に使われている水色の生地とよく似た生地が広げられている。
「これ……」アキナは、驚きからそれ以上言葉が出ない様子だ。
「友達にお願いしたら、探してきてくれた。この部屋の使用許可もとってある。アキナちゃんに型紙作ってもらえたら、裁断くらいは僕も手伝えるし……足りないものがあれば買いに行ってくるよ」
「型紙、持ってきてます!」
「よかった。それじゃ、さっそく手分けして取りかかろうか」
「はいっ」