僕に、恋してみたら?


「あれは……」

「あれは?」

「今思い返せば、抱きしめてるだけで満足したというか。その状況を堪能したかったんだよ」

「タンノウ……?」

「茉帆ちゃんとなら、身体の関係抜きでも、そうやって一緒にいたいと思えた」

「!!」

「茉帆ちゃんとのんびり過ごす昼休みが、ずっと続いて欲しいなって思えたんだ」

「先輩……」

「なにをするときも、茉帆ちゃんと一緒なら、楽しいんだろうなって」


って、先輩。

いったそばから、


「なにしてるんですか?」


わたしのネクタイを緩める先輩。


「……こ、こんなとこで、なに考えてるんですかっ!?」

「好きって口に出しちゃったら、なんかもう、どんどん好きが膨らんで」

「えぇ……?」

「欲しくなっちゃった」

「……っ!??」


なっちゃった、じゃないです!!


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