僕に、恋してみたら?
*
翌日の、昼休み。
いつもなら、屋上でぼっち飯をしたあと、大胸筋エクササイズでもするのだが。
昨日のことがあって、屋上には足を運びにくい。
そんなことを考えていた矢先、ある人物が、わたしの教室までやってきた。
「お豆ちゃん、発見」
悠々と教室に入ってきた、イケメン。
わたしをそんな風に呼ぶ人なんて、一人しかいない。
そう――水上先輩だ。
当然、先輩の登場に教室はざわつく。
「ちょっとー」
「水上先輩じゃん!!」
女子たちの、黄色い声。
「探したよ」
自分が辺りを騒がせていることなんて、まったく気にする様子もない。
キラキラとした笑顔を向けてくる。
「……わたしを、探していたんですか?」