僕に、恋してみたら?
周りの視線をいつも以上に独占している桃惟。
「お疲れ様。アリスの劇、凄く楽しかったよ。それに、アキナちゃんの作った衣装どれも素敵だった」
「ありがとうございますっ!!」
アキナが飛び跳ねる。
「ただ――白ウサギくんは、ちょっとカッコ良く仕立てすぎじゃないかな?」
と柳くんを目を細めてみる桃惟に、
「そのくらいがお客様を満足させるのにちょうどいいんだよ、オッサン。若さに嫉妬か?」
ニヤリと笑ってみせる柳くん。
桃惟と柳くんは笑顔を向け合っているのに、火花を散らしているように見えるのは、わたしだけでしょうか……?
そして柳くん。
なんだか日に日に腹黒になっていない……?
オッサンとかいわないの!
そんなちょっぴり毒舌な柳くんに対して最近、
「私も罵られたい……」
なんてことをいう女子まで出てきたのには驚きだ。
柳くんは、優等生でも腹黒でも、どっちにしろモテていた。