僕に、恋してみたら?


「先輩のクラスって展示でしたよね? それに3年は受験生だから準備に手間のかかるようなことはやらないって聞いたんですけど」

さすがユカリ、情報通だ。

ユカリのいう通り、桃惟のクラスは教室に写真を展示してギャラリーを作ると言っていた。

なんの写真を飾るかは、聞いていない。

あとで見に行こうと思っているし、楽しみにしている。


「んー、そうなんだけど。2年からヘルプ頼まれて、オープンからしばらく手伝ってたんだ」

「そんな衣装のお店あるんですか?」

「2年D組の執事喫茶、よろしくね」と周囲に笑顔をふりまく桃惟。


それを聞いた女子たちが
「行きたいですー!」と騒ぐ。


「制服に着替えてたら劇に間に合わないから、もうそのまま着てきちゃった」


神対応すぎるよ桃惟。

その姿で桃惟が手伝えば、売り上げが右肩上がりになるのは目に見えている。


「せっかくだから茉帆とまわりたいなと思ってきたんだけど。借りて行っていいかな?」

と、隣まで来たと思ったら、肩に手をまわされる。


うわぁあ……!

みんなのまえで、何やってるの!?


桃惟は3年生だから、一緒にまわれる最初で最後の学祭。

桃惟とまわりたいなって、思ってた。

でも、でも……!!

これはさすがに照れるのですが!?


「どうぞどうぞー」
「持っていっちゃって下さいー」
ユカリとアキナがニヤニヤしながら答える。

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